水産増殖
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原著論文
短期的蓄養によるクマエビ(Penaeus semisulcatus)のアスタキサンチン量の制御
川龍 祥子上田 幸男足立 亨介森岡 克司
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2019 年 67 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

徳島県で漁獲されるクマエビ(Penaeus semisulcatus)を数種の実験条件下(黒背景,アスタキサンチンの高濃度給餌および紫外線照射)で週間飼育することで,本種体内のアスタキサンチン(Asx)含量を高められる可能性を検証した。3つの飼育条件の条件を組み合わせた実験結果から,煮沸後の頭胸部で飼育前の1.6-1.7倍の a*値を示し,1.4-1.7倍の Asx を蓄積することが示された。この結果で黒背景を含む飼育が最も効率的と推察できたことから,同条件のみでの2週間の飼育実験を行ったところ,煮沸後の頭胸部 a*値を約1.6倍上昇させることを再確認した。頭胸部において煮沸後 a*値と Asx は相関することから本種は黒背景飼育によって,わずか2週間の蓄養によっても本種体内の Asx 含量が高められることが示された。一方で黒背景の飼育は脱皮を誘発する傾向にあり,今後の実用化に向けては脱皮による斃死の制御が課題と考えられる。

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© 2019 日本水産増殖学会
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