水産増殖
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原著論文
ハタ類の脳下垂体構造と生殖腺刺激ホルモン産生細胞の免疫組織化学的検出
徐 文剛天谷 貴史盛田 祐加中田 久征矢野 清
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2019 年 67 巻 3 号 p. 249-256

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抄録

オオモンハタ,キジハタ,クエ,カンモンハタを用いて脳下垂体の構造を組織学的に観察するとと もに,2 種の生殖腺刺激ホルモン FSH 及び LH のβサブユニットに対する抗体を用いてその産生細胞を免疫組織化学的に観察した。いずれのハタ類においても下垂体の構造は神経下垂体(NH)と腺下垂体(AH)から成っていた。AH はさらに前葉端部(RPD),前葉主部(PPD),中葉(PI)に分類さ れた。FSHβの免疫シグナルは4 種ともに PPD 及び PI 領域で検出された。しかし,LHβのそれはクエでは PPD 領域のみで確認されたが,他の種では PPD 及び PI 領域で確認された。FSHβシグナルの強度はクエを除き LHβより強かったが,クエでは両者に差は認められなかった。以上の結果から,ハタ類の下垂体構造は共通しているが,FSH 及び LH の産生部位には種による違いがあることが分かった。

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© 2019 日本水産増殖学会
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