2022 年 70 巻 4 号 p. 343-352
鳥取県沿岸の東部および西部海域において2016から2019年にかけて採集したアユ仔稚魚の耳石の日周輪を分析し,孵化日および初期成長を推定した。分析した全ての年級および採集水域を通じた孵化日の範囲は9月後半から1月前半にあり,そのピークは10月後半から11月前半であった。耳石の30日齢時に形成された輪紋の半径より推定した孵化後30日齢における推定体長(SL30)は,孵化時期が早い個体ほど大きい傾向があり,30日齢までの経験水温との相関が認められた。初期成長の変動は,年級や採集水域間の違いよりも孵化時期による影響が大きく,早生まれ群は初期成長の面で有利である可能性が示唆された。