2023 年 71 巻 1 号 p. 31-43
半円真珠の効率生産を目指して環境水中の懸濁物(TSS)濃度がインドネシア Java 島の淡水域に生息する二枚貝 Sinanodonta woodiana の真珠層色と真珠層の異常分泌に及ぼす影響を調査した。TSS 濃度が10 mg 以上含まれる水域で採取された貝では,真珠層に0.5 mm 程度の着色を伴う円形の突起が高頻度で形成されていた。この突起の頻度は TSS 濃度と正の相関が見られた。TSS 濃度が高い水域(10 mg)で採取された貝では,真珠層が薄く,しかも,真珠結晶一層の幅が TSS 濃度の低い水域(10 mg 以下)の貝に比べて狭かった。前者の貝では真珠層の黄色度や輝度も低い値を示した。これらの結果から,TSS 濃度の高い水域は,本種による高品質半円真珠の生産には適さないと考えられる。