水産増殖
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イワムシMarphysa sanguinea (MONTAGU) の産卵と初期形態について
今井 利為
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1975 年 23 巻 1 号 p. 14-20

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抄録
イワムシMarphysa sanguineaの入工的な増殖を計るため, 飼育により受精卵を得て, その初期発生を観察し, 次の結果を得た。
1) 卵は, 分離沈性卵で, 茶褐色を呈し, その大きさは, 直径270-290μである。
2) 発生は, プロトトロコフォア期, メタトロコフォア期, ネクトキータ期を経て, 成体に至る。
3) 摂餌開始時期は, ネクトキータ期に顎歯が形成され, 開口がみられることから, この期以降と考えられる。
4) イワムシの棘は, 発生初期から幼生期には, capillary setae, falciger setae, hooked setae, acicular setae, aciculumおよびcomb setaeの6種類がみられるが, 成長するにしたがってhooked setaeの確認ができなくなる。また眼点は, 2-4-2, tentacleは, 0-1-3-5, とその数が成長の段階により変化する。
5) 釣餌用のイワムシは, その体節数と日数の関係式から2年-3年を経ているもめと思われる。
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