水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
シマアジ仔稚魚の鰭と鱗の発育
村井 衛川辺 勝俊加藤 憲司隆島 史夫
著者情報
キーワード: シマアジ, 仔稚魚, ,
ジャーナル フリー

1991 年 39 巻 2 号 p. 201-210

詳細
抄録

シマアジ仔稚魚期における鰭条と鱗の初期発育過程を検討し, 以下の結果を得た。
1.軟条は臀鰭 (体長5.8mm) , 腹鰭 (体長7.8mm) , 背鰭 (体長8.3mm) , 尾鰭 (体長8.6mm) , 胸鰭 (体長9.8mm) の順で定数化したことから, シマアジは体長がほぼ10mmで稚魚期となることが明らかとなった。
2.分節開始は尾鰭, 背鰭, 臀鰭, 胸鰭, 腹鰭, の順, また分枝開始は尾鰭・胸鰭, 腹鰭, 背鰭・臀鰭の順であった。
3.尾鰭と胸鰭では, 軟条の定数化前に分節が開始され, 分節進行中に分枝が始まった。尾鰭後縁は体長8.0mmで湾入し始め, 体長20mm以降で二叉形となった。胸鰭は体長8.0mmから伸長し始め, 体長43.2mmで分節, 分枝が形成されたが, 体長が93.0mm以降で, 成魚に近い形状となった。
4.初生鱗は稜鱗で, 体長11~12mmで尾柄部体側正中線に沿って出現した。そして, 体長12.8mmで稜鱗列の背腹側に円鱗が出現した。
5.初生鱗が形成された体長31mmから80mmまでの25個体での鱗長 (R) と体長 (SL) との関係は, R=4.667・SL-57.172の回帰直線式で表された。

著者関連情報
© 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top