水産増殖
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鯨肉の養鰻餌料試験 (予報)
稲葉 伝三郎久保田 伸三
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1956 年 4 巻 3 号 p. 42-45

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抄録

北太平洋産のナガスクジラの冷凍又は塩蔵した上・中・下の肉について養鰻餌料に使用しうるか否かを試験した。 鰻は鯨肉を最初は嫌う傾向があるが、 慣れるに従い3-4日目からはよく食い、 餌料として使用できる。 その増重率 (餌料系数) は6.26で魚の場合と大差がなかつた。 鯨肉には約14% (重量にて) のスヂの部分があつてこの部分は利用できない。 鯨肉の等級別による摂餌状態には殆んど差が認められない。 鯨肉と魚肉とを3:2の割合で用いたシラス鰻の2ヶ月の飼育では栄養の欠陥は認められなかつた。 成品養成の場合には平常の餌を与える前に使用した方が摂餌が良いようである。 これらの結果は7月20日より9月20日までの短期間の使用であるので今後更に使用方法、 増重率、 使用期間等について検討する必要があろう。

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