水産増殖
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ムシガレイにおけるLHRH-aコレステロールペレットの成熟促進効果
奥村 重信栄 健次
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1993 年 41 巻 1 号 p. 13-18

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抄録

ムシガレイの成熟産卵促進にLHRH-a (des.Gly10 [D-Ala6] -Luteinizing Hormone Releasing Hormone Ethylamide) コレステロールペレットが有効かどうかを, 従来の胎盤性生殖腺刺激ホルモン (HCG) とシロザケ脳下垂体 (SP) の併用法と比較した。
実験区には人工生産4歳魚を雌10尾, 雄20尾ずつ収容した。HCG+SP区はHCG (50IU/kg) とシロザケ脳下垂体 (1mg/kg) を併用し, 実験開始時に1回, 以後7日おきに2回の合計3回, 筋肉注射によって投与した。LHRH-a区はLHRH-aを20μg含むコレステロールペレットを開始時に1回投与した。無投与区はホルモン処理を行わない対照区とした。
得られた受精卵数と受精率は, HCG+SP区が35.5万粒・60.1%, LHRH-a区は45.3万粒・81.9%であり, 受精卵数, 受精率ともにLHRH-a区が上回った。
無投与区では産卵がみられなかった。HCG+SP区ではホルモン投与にともない採卵数の変動がみられたが, LHRH-a区では比較的安定していた。
ムシガレイの成熟促進にはHCGとシロザケ脳下垂体の併用法よりLHRH-aコレステロールペレットが有効であると判断された。

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