水産増殖
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クロアワビに対する果物の摂餌誘引活性
原田 勝彦宮崎 泰幸
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1994 年 42 巻 1 号 p. 171-177

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抄録

クロアワビ, Haliotis discus稚貝に対する果物25種類36品種の果肉, 一部で外皮の水抽出液の誘引活性を行動学的に調べた。果肉においては, バラ科22品種の中でリンゴ (ゴールデンデリシャス) , 桜桃 (ナポレオンと佐藤錦) , ナシ (西洋梨, 幸水と20世紀) , スモモ (ソルダムとソールダー) , 桃 (白鳳) およびイチゴ (とよのか) の10品種に, ブドウ科3品種の中でブドウ (巨峰とマスカット) の2品種に高い誘引活性を認めた。その他6科11品種の中でメロン (マスクメロン) , カキ (富有) およびイチジク (ドーフィン) の3品種にも高い誘引活性がみられた。これらの品種の中で最高の誘引活性を示した品種は桜桃 (ナポレオン) であり, 濃度の増大とともに誘引活性が増大した。

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© 日本水産増殖学会
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