水産増殖
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マダイ用ドライペレットにおける魚粉代替タンパク質の利用性
青木 秀夫渡邉 武古市 政幸津田 平蔵
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1997 年 45 巻 1 号 p. 131-139

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抄録

マダイ用高カロリードライペレット (DP) における魚粉代替タンパク質源として, 大豆油粕 (SBM) , コーングルテンミール (CGM) , ミートミール (MM) の3種の併用配合による利用性を成魚と稚魚で検討した。SBM, CGM, MMを組み合わせて36~46% (魚粉代替率46~62%) 配合したDPを用いて平均体重565gと35gのマダイをそれぞれ85日間および56日間飼育し, 飼育成績, 魚体の一般化学成分および血漿化学成分の項目について, 魚粉DPを用いて飼育した対照区と比較した。その結果, 成魚では代替飼料区のいずれの区も魚粉飼料区と同程度の優れた飼育成績が得られ, 魚の生理状態も正常であると評価された。一方, 稚魚ではCGM配合率が5および10%の区では魚粉飼料区と同程度の成績が得られたものの, 配合率が15, 20%と増加するにしたがい成績が悪化した。したがって, CGMはタンパク質源として, 稚魚用飼料へ高率で配合するには問題があると推察された。以上の結果から, SBM, CGM, MMを適切な配合割合で併用することによりマダイ用DPの魚粉を約60%代替できることが明らかになった。

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