水産増殖
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アユの体重に関する選択反応および実現遺伝率
辻村 明夫
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2000 年 48 巻 3 号 p. 571-577

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抄録

アユを用いて切断型選抜を大方向に4世代,小方向に3世代にわたって行い,各世代における無選抜群の体重比により選択反応を評価した。選抜3代目における無選抜群に対する体重比は大方向で1.49倍,小方向で0.51倍となり選択反応がみられたが,2方向の選択で応答の違いがみられた。各世代における無選抜群の体重比により推定した実現遺伝率は大方向0.370,小方向0.580であった。選抜3,4代目を用いた種々の飼育実験でも大方向は他群に比べ明らかに成長が優れた。これらのことから,アユにおいて切断型選抜による育種は成長形質の改良に有効と判断される。

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