2001 年 49 巻 3 号 p. 339-345
マダイ,Pagrus majorにおける全雄群誘導に有効な17α-メチルテストステロン(MT)の経口投与量および投与時期について,雌性発生二倍体または雌と雌性発生二倍体雄との交配により得た魚を用いて調べた.281日齢の雌性発生二倍体マダイにMTを0.01-1.0mgMT/kg BW/dayの濃度で16週間経口投与した結果,MT投与の翌年の産卵期にはいずれの濃度区においても100%機能的な雄が得られた。55,141および893日齢の魚にMT(0.1mg/kg BW/day)処理を16週間行った結果,雄が誘導され,すべてのMT処理魚の生殖腺に精巣組織が認められた。141および893日齢より処理した群では機能的な精子が得られたものの,55日齢からの処理群では精子を得ることはできなかった。