水産増殖
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飼育クロマグロの骨格異常
清水 弘文竹内 宏行
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2002 年 50 巻 1 号 p. 71-78

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抄録

1996年7・8月に日本栽培漁業協会八重山事業場で飼育された, ふ化後1~26日, 全長3.5~31.1mmのクロマグロ278尾について骨格異常の症状の分類と記載を行った。骨格異常はふ化後2週間以降の供試魚のみで観察された。ふ化後2週間以降の供試魚221尾における骨格異常発現率は61.5%であった。全異常魚に占める各症状の割合は, 背鰭担鰭骨の異常83.8%, 臀鰭担鰭骨の異常12.5%, 椎体の異常11.8%, 神経棘の異常26.5%, 血管棘の異常20.6%, 尾骨の異常17.6%, その他の異常7.4%であった。背鰭担鰭骨の異常は棘を担う箇所で多く発現し, 臀鰭担鰭骨の異常は第1~第5軟条および第1~第5小離鰭を担う箇所で多く発現していた。神経棘, 血管棘および椎体の異常は第31~第37椎体で多く発現していた。また, 背鰭担鰭骨の異常はその他の症状と併発することが多かった。

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