2002 年 50 巻 3 号 p. 369-374
低酸素耐性形質の個体差を捉える方法として, 酸素過飽和状態の水に供試魚を入れ, 空気中の酸素がとけ込むことのできる開放系の水槽で実験を行った。その結果, 緩やかな生残率の低下が観察され, 交配区間の差異を明確に示すことができた。
低酸素耐性形質の遺伝的変異について知るために, 遺伝率を求めたところ, 0.35~0.50と高い値を示した。従って, 本研究に用いたニジマス集団は低酸素耐性形質において, 高い遺伝的変異性を保有しており, 個体選択によって耐性品種の作出が可能であると考えられた。