水産増殖
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褐藻ガゴメの配偶体の成熟及び幼胞子体の生長に及ぼす温度, 光量の影響
桐原 慎二藤川 義一能登谷 正浩
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2003 年 51 巻 3 号 p. 281-286

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抄録

ガゴメの発生と生長に及ぼす温度, 光量の影響を知るため, 遊走子を瓶中で温度 (5, 10, 15, 20, 25℃) , 光量 (10, 20, 40, 80μmol/m2/s) , 光周期 (14L: 10D) の組合せ条件下で6週間, さらに, 幼胞子体を同じ温度, 光周期, 光量は20μmo1/m2/sにしたフラスコ, 水槽中で13週間通気, 流水培養した。この結果, 遊走子は, 20℃以下で配偶体を形成し, 15℃以下では配偶体が成熟し, 受精後に幼胞子体を形成した。胞子体は, 25℃では枯死し, 20℃では殆ど生長しなかったが, 15℃以下では順調に生長し, 瓶中では10, 5, 15℃の順に, フラスコ, 水槽中では低温度条件下ほど生長が速かった。また, 5, 10℃の低い温度では高光量下で生長が速かった。配偶体, 胞子体の形成, 生長の上限温度は, コンブ属植物とは概ね一致した。

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© 日本水産増殖学会
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