水産増殖
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エクストルーダー飼料および生餌餌料を給与したブリ成魚の成長および飼料効率
佐藤 公一舞田 正志若月 彰松田 晋一
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2003 年 51 巻 3 号 p. 343-348

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抄録

ブリ, Seriola quinqueradiata成魚におけるエクストルーダー飼料 (EP) の飼料効果を知ることを目的として, 粗脂肪 (CL) 量23%のEP (EP-MF) , CL量28%のEP (EP-HF) , および生餌主体の餌料 (生餌) を用いてブリ2年魚の飼育試験を行った。
夏期におけるEP-MF区およびEP-HF区の成績は, 生餌区の成績を100としたときに, 日間増重率 (DGR) がそれぞれ93±5 (平均値±標準偏差) %および95±9%, 日間給餌率 (DFR) が96±9%および94±10%, 飼料効率 (FE) が97±4%および101±1%で, いずれも生餌区と比較して有意な差異は認められなかった。一方, 秋期におけるEP-MF区およびEP-HF区の成績は, 同様の比較において, DGRがそれぞれ72±8%および65±9%, DFRが78±7%および69±3%, FEが90±2%および93±9%で, EP両区のDGRとDFRが生餌区より有意 (P<0.05) に低かった。
これらの結果から, ブリ成魚にEPを給与したときの飼育成績は, 夏期では生餌と同等であるものの, 秋期では成長が生餌より劣ること, その原因として秋期に生餌主体の餌料と比較してEPの摂餌率が低くなることが考えられた。

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