水産増殖
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浅海養魚場における栽培ワカメ, Undaria pinnatifidaの生長過程とN, P吸収速度
耒代 勇樹門脇 秀策
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2004 年 52 巻 4 号 p. 365-374

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抄録
ワカメは2002年11月~2003年5月に八代海養魚場の1~4m層で垂下栽培した。ワカメの葉長は生長期に2m層で最大生長速度4.2cm/dayを示し, 成熟期に最大182cmに達した。葉状部の平均N, P含有量は, それぞれ19mg N/g dryおよび2.3mg P/g dryであった。葉状部単位面積当りのN, Pの最大吸収速度は, それぞれ3.1mg N/m2/dayおよび0.54mg P/m2/dayであった。N, P最大吸収速度をもたらす飽和光量は670μmol/m2/sであった。DIN濃度およびDIP濃度の半飽和定数は, それぞれ17μgN/lおよび6.2μg P/lを得た。16℃における葉状部のN, P吸収速度は, それぞれ2.5mg N/m2/dayおよび0.44mg P/m2/dayであり, 温度係数Q01はそれぞれ1.090および1.081と算定された。栽培ワカメ葉状部の単位面積当りのN, P吸収速度は, 養魚場水の栄養塩濃度, 光量および水温の環境諸量で定式化され, 算定値は実測値と良く一致した。
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© 日本水産増殖学会
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