水産増殖
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飼育水のpH調整によるガザミ幼生真菌症の感染防御機構
安信 秀樹
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2006 年 54 巻 4 号 p. 531-535

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抄録

飼育水のpH9.25調整によるH.okinawaensisの感染防除機構を明らかにするため, 遊走子の遊出数などに及ぼすpHの影響を検討した。その結果, pH9.25調整は海水中での遊走子の生残数を減少させ, 遊走子の運動性を速やかに消失させたが, 遊走子の遊出数および甲殻への付着性には影響を与えなかった。既報の結果と考え会わせると, pH9.25調整の感染防除には, 休眠胞子の発芽抑制が重要な役割を担い (既報) , 遊走子の生残数を減少させることが関与していると考えられた。

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© 日本水産増殖学会
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