2011 年 14 巻 p. 18-33
本稿は、お茶の水女子大学の前身である東京女子高等師範学校卒業生を対象としたオーラルヒストリーの収集と活用を通して、オーラルヒストリーが持つ大学史資料としての可能性を考えようとするものである。まず、女高師オーラルヒストリーの収集方法、公開を前提とした整理作業、公開・活用といった一連の活動内容と、その史料的特徴を紹介する。次に、オーラルヒストリーが持つ大学運営に関する資料との相互補完的役割と自校史教育などにおける活用例を示す。そして、オーラルヒストリーが大学アーカイブズシステムにおいて、主柱の1つとなり得ることを提唱する。