高エネルギー加速器研究機関の現状とともに大学共同利用機関におけるアーカイブズの現状について報告し、現在抱えている課題について考察する。
本稿は、お茶の水女子大学の前身である東京女子高等師範学校卒業生を対象としたオーラルヒストリーの収集と活用を通して、オーラルヒストリーが持つ大学史資料としての可能性を考えようとするものである。まず、女高師オーラルヒストリーの収集方法、公開を前提とした整理作業、公開・活用といった一連の活動内容と、その史料的特徴を紹介する。次に、オーラルヒストリーが持つ大学運営に関する資料との相互補完的役割と自校史教育などにおける活用例を示す。そして、オーラルヒストリーが大学アーカイブズシステムにおいて、主柱の1つとなり得ることを提唱する。
アーカイブズにおけるアウトリーチ活動とは、アーカイブズの存在を知らない人や社会に対して、アーカイブズの存在をより広範囲の人や社会に認識してもらい、そのことを通して利用の促進やアーカイブズ情報の有用性を広く伝えるために、アーカイブズの側が主体的に外部に向けておこなう活動である。本稿では、アウトリーチの定義を上記のように規定した上で、アメリカ合衆国の大学アーカイブズにおけるアウトリーチ活動の形態を手掛かりに、アウトリーチ活動のミニマム・エッセンスを設定する。さらに、そのミニマム・エッセンスが、現在の日本の大学アーカイブズでどの程度おこなわれているのか、その現状を調査すると同時に、課題を考察し、アウトリーチ活動に関する理論と実践の蓄積の必要性を提起する。
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