2012 年 17 巻 p. 5-22
宮城資料ネットは、2003年7月の宮城県北部での連続直下型地震を契機に発足した。地域の歴史資料を災害から守るため、災害「前」の所在把握と記録化を続けていた。
東日本大震災の発生後は、全国の関係者や被災地内外の市民ボランティアの支援を得て活動を続けている。2012年8月現在53家分を保全しているが、活動の完了には長期間かかることは確実である。
震災で多数の歴史資料が消滅したが、震災前に撮影していたものは画像データは遺された。被災情報の収集にも、震災前からの地域との関係構築が大きな役割を果たした。「次」の巨大災害が発生する前に、地域連携・多分野連携による歴史資料の防災対策を進める必要がある。