アーカイブズ学研究
Online ISSN : 2434-6144
Print ISSN : 1349-578X
論文
段階的整理と欧米型整理論の比較
方法論の違いと出所及び原秩序尊重原則の解釈
橋本 陽
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2015 年 23 巻 p. 4-22

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抄録

本稿は、欧米の編成記述の手続きを欧米型整理論と呼称し、それと日本の方法論である段階的整理を比較し、両者の違いを明らかにすることを目的とする。まず段階的整理の原点を見直し、その発展はマイケル・クック氏の議論に大きく依拠していた事実を指摘する。次にクック氏の著書、アメリカ、フランス及びICAのマニュアルを検証し、欧米型整理論の詳細を示すとともに段階的整理との比較を行う。最後に、アーカイブズ学の基礎である出所と原秩序の尊重が当時の欧米のアーキビストにどのように認識されていたかについて1964年のICA大会の報告に依拠して振り返り、方法論の背景を探る。

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© 2015 日本アーカイブズ学会
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