2016 年 25 巻 p. 40-55
図書館目録における「記述」の現状と今後の展開について、個人的な見解を含めて、その概略等を解説する。図書館目録は、現在移行の途上にあり、従来からの構図と移行状態の構図とが混在しており、また国際的な動向と国内状況との二重性もある。2章では図書館目録における「記述」にかかわる要求分析・定義に属する事項を整理し、個人・団体等に対する典拠データも含めて取り上げるべき点を確認する。続く3章ではこれまでの標準化の経緯について、概念モデル、データ項目定義、記述規則に分け、かつ国際標準、英語圏、そしてわが国という枠組みで経緯を概観する。4章以降では、概念モデル、データ項目定義、記述規則のそれぞれにおける主要な標準、特に現状または今後の展開を直接担っているFRBR、RDA、そしてBIBFRAMEを取り上げ解説する。