教育心理学年報
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I わが国の最近1年間における教育心理学の研究動向と展望
乳幼児に関する研究の動向
上原 泉
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2014 年 53 巻 p. 1-13

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抄録
 本稿では,教育心理学会第55回総会と,2012年7月から2013年6月末までに『教育心理学研究』『発達心理学研究』『心理学研究』『Japanese Psychological Research』で発表された乳幼児に関する研究の動向を3つの領域に分けて概観した。乳幼児の認知発達に関する研究の関心は,主に,非言語的な認知,言語,数,社会性であり,養育者や保育者が関連する研究の関心は,主に,子どもの自己制御機能,子どもの認知・行動と養育者の接し方との関連,養育者や保育者の認識・行動であった。保育・教育環境に関する研究の関心は,主に,幼児期の保育・教育のあり方や保育の質であった。これらの知見の学術的意義と教育的意義について述べた。最後に,教育心理学会ならではの教育的視点から,多岐にわたる知見を統合する必要性について論じた。
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© 2014 日本教育心理学会
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