2025 年 64 巻 p. 1-16
本稿では,日本教育心理学会第66回総会の「発達」部門におけるポスター発表と,2023年7月から2024年6月までの1年間に『教育心理学研究』,『発達心理学研究』,『心理学研究』,Japanese Psychological Researchの4誌に掲載された論文のうち,乳幼児期と児童期を対象とした発達研究の概観を行った。はじめに,対象となる研究全体について,研究領域と研究方法の傾向の量的な整理と分析を行った。次に,このうち雑誌掲載論文を取り上げて,近年,世界的に注目が集まっている「非認知(社会情緒的)能力」の視座から,「自己に関わる心の力」,「社会性に関わる心の力」,「自己と社会性の発達を支える環境」という3つの分類による内容面の整理と検討を行った。最後にこれらの結果をふまえて,今後の研究の課題と展望を提示した。