教育心理学年報
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協同による大学授業の改善
安永 悟
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2009 年 48 巻 p. 163-172

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抄録

本稿は, 協同学習の理論と技法の観点から, 協同による大学授業の改善を目指した最近の実践報告と実践研究を概観し, 今後の検討課題を指摘した。 わが国の大学教育を取り巻く環境は激変しており, 大学教育は大きな変換点にある。 その中にあって, 社会が期待するだけの教育成果を大学が達成できているかといえば疑問が残る。 大学教育の改善は日々繰り返されている授業の改善なくして実現できないという立場から, 本稿では大学教育の置かれた現状を社会的要請と学生の変化の視点から捉え, 授業改善の必要性を確認し, その視点と方向性を検討した。 その上で, 学生を中心とした学生参加型授業を実現し, 社会の要請に応えられる大学授業を実現するためには, 協同学習の理論と技法が有効であることを確認し, 協同学習を意識した大学授業に関する実践報告と実践研究を検討した。 最後に, 協同に基づく授業づくりや授業改善において考慮すべき主な問題点を指摘した。

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© 日本教育心理学会
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