アレルギー
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骨髄移植の二次疾患の成因に関する研究
畔柳 武雄斎藤 昌信
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1964 年 13 巻 4 号 p. 188-196,283

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抄録

CO^<60>で800γ全身照射したラットにウサギの骨髄細胞乃至脾細胞を移植すると, 2〜3週間後に2次症候群が起る.この2次症候群の強さは正常ウサギの骨髄細胞乃至脾細胞を移植した場合よりも, 予め卵白 albumin で感作したウサギの細胞を移植した場合の方が高度であった.また骨髄移植に皮膚移植を併用すると, 2次症候群の強さが増強される傾向があった.骨髄移植と同時に皮膚移植を行った場合.二次症候群出現時に於いても移植された皮膚は脱落することなく take は成立しており.Host の血清中には Donor 赤血球に対する抗体は証明されなかった.この所見は二次疾患の成因に対する Host VS Draft 反応説を支持しない.2次症候群時には, 正常ウサギの骨髄を移しに場合は.抗ウサギ globulin 血清を用いる anti-globulin 試験は直接間接とも陰性であるが, 卵白 albumin で感作したウサギの骨髄細胞の移植した場合は直接間接とも陽性であった.この所見は2次症候群は Graft VS Host 反応によるものであることを示唆するとともに, 予め感作された抗体産生細胞は大量の Host 抗原刺激に抗して, よく抗 Host 抗体を産生することを示唆するものである.

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© 1964 日本アレルギー学会
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