アレルギー
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低レベル血清IgE値の測定法の検討 : RISTの一改良法について
蒲生 鐵男
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1973 年 22 巻 11 号 p. 693-698,707-70

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抄録

現在, 血清IgE値の測定にはradioimmunoassayが最も感度がよい.しかし, 血清を十分に希釈しないと異常に高い値となるため, 血清を十分に希釈して測定する必要があった.そのため, 血清IgEの最低検知限界は約20unit/mlであった.著者は低レベル血清IgE値の測定法を開発し報告した.すなわち, セルロース粉末がこの異常高値を与える因子を吸着することを知り, その処理条件について検討した.その結果, 血清0.2mlにセルロース粉末0.5%浮遊液1.3mlを加え, 4℃で20時間攪拌後, 遠心沈殿し, その上清0.75mlを使用してradioimmunoassay (RIST)を行う方法を考案した.血清IgE値が高い場合には異常高値を与える因子が十分に吸着されないが, 約100unit/ml以下の血清の場合には十分に吸着された.本法での血清IgEの測定限界は約1unit/mlであった.本法で健常新生児臍帯血清IgE値を測定し, 幾何平均値2.45unit/ml, ±2標準偏差範囲は1.04-5.80unit/mlの値を得た.

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© 1973 日本アレルギー学会
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