アレルギー
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イチゴ花粉による喘息症例とその疫学的調査
小林 敏男大関 秀雄稲沢 正士福田 玲子永田 頌史本間 誠一中沢 次夫小林 節雄
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1973 年 22 巻 11 号 p. 699-705,708

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抄録

最近われわれは, イチゴ花粉により発症したと思われる喘息の一症例を経験し, 諸種アレルギー学的検索を行った結果, イチゴ花粉による吸入性アレルギー性喘息であることを確かめ, 若干の疫学的調査を行った.1) 症例は42才, 農家の主婦.昭和40年からビニールハウスでイチゴ栽培を行っている.3年後, イチゴの開花期に眼, 鼻症状が発現, その翌年から喘息症状も加わった.イチゴ花粉の抽出液による皮内反応, Prausnitz-Kustner反応, 吸入誘発試験はいずれも陽性であった.2) イチゴ栽培者43名にイチゴ花粉抽出液による皮内反応およびアンケート調査を行った43名中16名が皮内反応陽性で, そのうち8名がアレルギー症状を有しており, そのうちわけは喘息が2名, 結膜炎, 鼻炎等の花粉症状のみのもの5名, 皮膚炎が1名であった.

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© 1973 日本アレルギー学会
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