アレルギー
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皮膚試験(スクラッチおよびプリックテスト)の2, 3の検討
中村 凱次富沢 貞造森谷 直樹川島 ひろ子
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1974 年 23 巻 10 号 p. 643-651,707

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抄録

2-14才までの気管支喘息患者 170名について, これを 110名の線状スクラッチ群と60名のプリック群に分けてスクラッチテストを行い, 陽性率ならびに, 一部のものにその特異性を, PK 反応を基準にして比較検討した.その結果, プリック法が線状スクラッチ法よりも偽陰性および偽陽性反応が少なく信頼性が高いと思われ, また膨疹のみならず紅斑も十分意味があることを知った.ただし, HD では膨疹の陽性基準を5mmにおくとプリック法で偽陰性例が多くなるので, この場合は, 膨疹の有無を基準にとった方がよいと思われた.ブタクサ, キヌについては, 紅斑15mm, 膨疹5mmの基準で, 偽陰性および偽陽性例が少なく満足できると考えられた.偽陰性および偽陽性反応の出現する理由として, アレルゲンエキスの濃度や陽性基準のとり方の問題が考えられた.この点, 個々のアレルゲンにつき詳細に検討することが必要と思われる.

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© 1974 日本アレルギー学会
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