アレルギー
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レアギン型アレルギー反応における好塩基球の形態的変化 : アトピー型気管支喘息に関連して
木村 郁郎谷崎 勝朗佐藤 周一上田 暢男高橋 清斎藤 勝剛平木 潔
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1974 年 23 巻 10 号 p. 682-691,710

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抄録

アトピー型気管支喘息患者の末梢血好塩基球を用いて, レアギン型アレルギー反応における好塩基球の形態変化を観察し, 以下に述べる結果を得た.1. 微分干渉顕微鏡による生態観察では, anti-IgE 添加後, 好塩基球は運動亢進をきたし洋梨状を呈する.好塩基球の顆粒の放出は, かかる運動亢進をきたし洋梨状を呈する好塩基球の hand-shape 様突起の先端から, 徐々に1あるいは2, 3の割で放出される.2. 位相差顕微鏡による生態観察では, anti-IgE 添加後, 好塩基球の細胞内における顆粒の変化, 巨大空胞を含む大小種々の空胞の出現など, むしろ細胞内部の変化はより鮮明に観察しえたが, 好塩基球より hand-shape 様突起が出現する現象は観察できなかった.3. 好塩基球脱顆粒試験では, アトピー型気管支喘息患者の好塩球に anti-IgE を添加した際, A form (洋梨状) 好塩基球の出現頻度は健康人に比べ高率であった.

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© 1974 日本アレルギー学会
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