アレルギー
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重症筋無力疾患者血清中に見いだされる抗筋膜抗体と抗運動神経終板抗体
有森 茂多田 慎也
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1974 年 23 巻 10 号 p. 696-699,711

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抄録

重症筋無力症の自己免疫学説の決定的な弱点であった抗運動神経終板抗体を, 膜免疫蛍光法を用いて証明した.ラット肋間筋より筋膜を純粋に分離すると, 筋膜表面に運動神経終板が局在することは, methylene blue での vital staining や cholinesterase 染色で立証される.この筋膜を材料として, 患者血清と FITC 結合抗ヒト Ig を用いる膜免疫蛍光間接法ならびに患者 IgG に FITC を結合せしめての直接法で, それぞれ特異的に筋膜と運動神経終板の陽性蛍光を証明しえた.その陽性度は, 症状の重症度にほぼ比例し, 胸腺を摘出すると弱くなった.洗浄や染色時間, 特異性の検討を加えて両抗体の存在を確定した.

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© 1974 日本アレルギー学会
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