1974 年 23 巻 9 号 p. 604-611,636
SLE 患者12例, PSS 患者7例を対象にその末梢血リンパ球の培養同種線維芽球に対する in vitro における細胞傷害作用を検索し, 次のような結果を得た.1) リンパ球の細胞傷害作用は SLE 12例中6例に, PSS 7例中4例に検出された.これに対して正常健康人では8例中全例陰性であった.2) PHA の刺激によるリンパ球の細胞傷害作用は SLE 6例, PSS 3例, 正常健康人6例を検索した.SLE の1例を除いて全例が陽性となったが, 傷害度の強さはSLE, PSS 群では正常健康人群に比して軽度に弱い傾向にあった.3) 細胞傷害作用の発現時間は, PHA を加えた場合はすべて24時間以内であったが, PHA を加えない場合は24時間から72時間を要し, 後者の方が細胞傷害作用の発現に長時間を要した.