アレルギー
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特異的 IgE 抗体の RAST による測定 : 第1編 RAST の2-3の基礎的検討
根本 俊彦
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1974 年 23 巻 9 号 p. 594-603,635-63

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抄録

1) I^<125> 標識 β-lactoglobulin を使用し, β-lactoglobulin と Sepharose 4B (CNBr activated) が結合するのを確認した.2) Pharmacia の抗ヒト IgE ヒツジ血清 (Fc specific) のγG (7S分画) に I^<125> を標識して RAST を行い, レアギンを有すると思われる血清と, そうでない血清との間に測定値に明らかな差が認められた.3) I^<125> 標識抗 IgE 血清は使用直前に透析を行えば, 3ヶ月間 RASTに使用できることを確認した.4) 特異的抗体を測定していることを確認のため, 抗原と抗体による抑制実験を行い, 両者とも理論的に予想される結果を得た.5) APC と血清との反応時間は, 24時間は必要と思われた.72時間反応させれば, 未反応の抗体はほとんど検出できない量である.6) I^<125> 標識抗 IgE 血清とレアギンと結合した APC との反応時間は, 24時間前後が適当である.7) 洗浄回数は4回が適当で, 5回以上の洗浄はあまり意味がない.8) 二重測定(同一血清を2本のチューブで測定)の各測定値間の差は, 最大で10.2%であった.9) Pharmacia 社製の RAST 用 I^<125> 標識抗 IgE 血清と著者の使用した抗血清を使用して RAST を行い, 比較を行った.有意の相関が認められた(相関係数:0.85, t=6.04>t_<0.001> = 4.140).

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© 1974 日本アレルギー学会
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