アレルギー
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ヒトリンパ球の赤血球ロゼット形成からみたSubpopulation
西谷 皓次山名 征三大藤 真
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1975 年 24 巻 12 号 p. 826-832,835

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抄録

各種動物赤血球とロゼットを形成するヒトリンパ球のsub populationについて検討した.ヒトリンパ球はヒツジ赤血球(SRBC)と66.1±6.6%にロゼットを形成し, イヌ(DRBC)37.1±10.0%, ブタ46.1±10.7%, マウス2.9±1.0%であった.これらのうち, SRBCとロゼットを形成するリンパ球とDRBCとロゼットを形成するリンパ球のpopulationの差異について検索を加えた.SRBC, DRBC浮遊液を同時に加えると, ロゼットを形成するヒトリンパ球の大部分は両者の赤血球を付着したが一方の赤血球のみを付着する細胞も存在した.また, 一方の赤血球でヒトリンパ球の受容体を飽和せしめ, 他方で再度反応させてもロゼット率は若干増加した.以上の成績は多くのヒトリンパ球にはSRBCとDRBCに対する受容体が共存しているが, 一部は一方だけの受容体を有する細胞集団も存在することを示唆している.走査電子顕微鏡でロゼット形成細胞を観察するとSRBCにはspheroechinocyte transformationを起こすものもあり, DRBCは比較的原形を保つが両者とも付着態度, リンパ球表面構造には差異を認めなかった.

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© 1975 日本アレルギー学会
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