抄録
こんにゃく喘息と養蚕喘息についての減感作療法の成績やその発症機序についての検討を行い, 次の結果を得た.1) こんにゃく喘息:吸入誘発試験は18例中11例(61.1%)が即時型反応を示し, 残りの7例は2相性反応を示した.RAST scoreは検討し得た9割全例が1以上を示した.しかし, IgE抗体は臨床的重篤度とは必ずしも平行しないようであった.沈降抗体はこんにゃく喘息患者でも舞粉に暴露されている正常者でも, その出現率に差はみられなかった.2)養蚕喘息:吸入誘発試験で23例中19例(82.6%)が即時型反応を示し, わずか4例(17.4%)が2相性反応を示した.P-K反応は検討し得た10例全例が陽性であった.沈降抗体は18例中2例(11.1%)のみが陽性であった.3)減感作療法の有効率は, こんにゃく喘息51.4%と低く, 養蚕喘息は78.1%となっており, 阻止抗体価の上昇は認めたが, その有効率との間に明らかな相関関係は認めなかった.