アレルギー
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PHA-Pによるヒスタミン遊離の研究 : 1.PHA-Pおよびセリシン免疫ラット腹腔肥胖細胞からのPHA-Pによるヒスタミン遊離について
嵯峨 六雄川野 修鈴木 成欣黒梅 恭芳
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1976 年 25 巻 2 号 p. 83-89,102

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抄録

水酸化アルミニウムゲルをadjuvantとしてPHA-Pやセリシンでラットを免疫したのち, これらの免疫ラットの腹腔肥胖細胞にそれぞれの抗原を作用するとヒスタミン遊離がみられ, 血中にはIgE型の抗体の上昇がみられた.PHA-Pで免疫した場合はセリシンで免疫したときと比べて, ヒスタミン遊離率の上昇が遅れ, かつ長く持続する傾向であった.免疫しないラットの腹腔肥胖細胞にPHA-Pを作用させてもヒスタミンの遊離はなかった.セリシンで免疫したラットの肥胖細胞もPHA-Pによってヒスタミン遊離をおこした.しかし逆に, PHA-Pで免疫したラット腹腔肥胖細胞はセリシンではヒスタミンの遊離はおこらなかった.セリシンで免疫したラットの腹腔肥胖細胞のヒスタミン遊離は, セリシンを抗原とした場合も, PHA-Pを作用させた場合も, ともにエピネフリンにより著明に抑制された.

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© 1976 日本アレルギー学会
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