アレルギー
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N-(3', 4'-Dimethoxycinnamoyl) Anthranilic Acid (N-5') の白血球ヒスタミン遊離反応および白血球内 Cyclic Nucleotideに対する影響
富田 有祐荒井 康男高橋 紀久男杉本 日出雄篠原 健山田 享塩田 浩政
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1978 年 27 巻 12 号 p. 919-925,945

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抄録

該当抗原による白血球ヒスタミン遊離反応ならびに白血球内 cyclic nucleotide に対する N-5'の影響を検討し, 以下の成績を収めた.1.白血球ヒスタミン遊離反応に対する影響 a.whole stage では N-5'の10^<-3>M は平均28.1%ヒスタミン遊離を抑制した.また10^<-5>-10^<-3>M の範囲では用量依存性は認められなかつた.b.10^<-3>M の N-5'をヒスタミン遊離過程の stage 別に添加し, その抑制効果をみたところ, first stage では平均28.6%, second stage では平均23.7%であり両者間には有意差は認められなかつた.2.白血球内 cyclic nucleotide 量に対して N-5'の10^<-3>M は影響を与えなかつた.以上の結果から, N-5'のヒスタミン遊離抑制は cyclic nucleotide-β receptor を介するものでないと考えられる.

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© 1978 日本アレルギー学会
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