アレルギー
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気管支喘息における Histamine に関する研究 : 第2報 発作時における全血および血漿 Histamine の変動
小松 道俊
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1978 年 27 巻 12 号 p. 914-918,944

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抄録

喘息発作発現の機序を解明する目的で, 自然発作時の発作強度と全血, 血漿 histamine 値について検討し, 以下の結果をえた.1) 非発作時の喘息患者の全血, 血漿 histamine は健常者より有意の高値を示した.2) 発作時の喘息患者の histamine 値は, 全血では非発作, 小, 中発作時に差がなく, 大発作時, 特に発作重積状態では著明に低下した.血漿では小発作時は非発作時より高値であつたが, 中発作時とは差がなかつた.しかし大発作時, 特に急性期で著明に増加した.3) 長期観察例, 死亡例を含む今回の成績より, 血中 histamine は発作の発現とその強度に関与し, 特に大発作時にはより密接に関与することを示唆する所見をえた.

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© 1978 日本アレルギー学会
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