アレルギー
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ヒト末梢単核細胞による抗原呈示
小出 幸夫若園 清行山本 正彦吉田 孝人
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1980 年 29 巻 3 号 p. 129-135

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抄録

ヒト末梢単核細胞をPPDにて1時間incubateすることにより抗原パルスを行い, これをPPD皮内反応陽性者からのT細胞に加えるPPDパルス-感作T細胞のシステムにおいて, ヒト末梢担体細胞に抗原呈示細胞の存在を証明し, 以下の結果を得た.ヒト抗原呈示細胞は, (1)その粘着能の点でplastic Petri dishに付着性, 非付着性の両者があるが, nylon wool columnには全て付着する.(2)約73%がcarbonyl ironに対して貧食能を示す.(3)carrageenanには抵抗性である.(4)ヒトIa-like抗原を細胞表面に保有している.(5)表面Igは保有しない.(6)PPD皮内反応陽性にもかかわらず, in vitroで自己のPPDパルス単核細胞に反応しないT細胞は, それに対しMLC反応を起こさない単核細胞をパルスして加えることによってのみ活性化しえた.

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© 1980 日本アレルギー学会
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