アレルギー
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Behcet病における細菌アレルギー : 第2編 血清免疫反応と免疫組織学的所見について
金子 史男須藤 学細野 ひろみ三浦 祐晶大口 正樹
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1980 年 29 巻 5 号 p. 217-226

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抄録

Behcet病患者ではStreptococcus群, 特にLancefield's group Dに強い遅延型反応を示す.このたびは血清免疫学的検討として, 皮内反応用細菌vaccineを用いて血清細菌凝集素価を測定し, 患者血清の免疫グロブリンの変動および病変部生検組織について, 蛍光抗体法によって抗体と補体成分, および抗Streptococcus group D(St.D)血清で細菌成分の関与についても検討した.(成績)細菌凝集素価ではSt.pyogenesには低値を示し, St.viridans, St.faecalisにはやや高い傾向を示した.患者血清の免疫グロブリンでは, 特にIgAは高い例が多く, IgDにも高値例があった.蛍光抗体法では病変部の毛細血管壁と浸潤細胞部に抗St.Dによる陽性所見がみられ, IgMとC3の沈着例もあったことから, 抗原成分の存在が示唆された.

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© 1980 日本アレルギー学会
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