1980 年 29 巻 8 号 p. 794-800
Orangeらの方法にしたがつて採取したラット腹腔液由来のslow-reacting substance of anaphylaxis(SRS-A^<rat>)をDEAEセファデックスA-25カラムクロマトグラフィーにてさらに精製し, 紫外部吸収スペクトルおよび電解脱離マススペクトロメトリーにより分析した.また, このSRS-A^<rat>をarylsulfatase Bあるいは塩酸で分解後, 分解産物をガスクロマトグラフィーマススペクトロメトロメトリーあるいはニンヒドリン, 硫酸またはピナクリプトールイエローによる呈色を指標として, 薄層クロマトグラフィーにより検索した.さらに, C端アミノ酸およびN端アミノ酸を分析した.以上の結果より, SRS-A^<rat>の構造が[γ-glutamyl-4-(5-hydroxy-7, 9, 11, 14-eicosateraenoic acid-6-yl)-4, 4-dioxocysteinyl]glycineであることを見いだした.