アレルギー
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蛋白抗原含有リポゾームによるIgE抗体産生抑制の試み
永富 光荻田 忠厚奥平 博一宮本 昭正水島 裕
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1981 年 30 巻 12 号 p. 1099-1105

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抄録

キャリーあるいはハプテン抗原含有リポゾーム(OA-LP, DNP-LP)にMitomycin-C (MMC) を封入し, これらリポゾームの静脈投与によるマウスの IgE抗体産生に及ぼす影響につて検討した.キャリヤー抗原含有の OA-LP を DNP-OA による免疫の1日前に投与すると, 抗 OA および抗 DNP IgE 抗体産生は一次および二次反応共に抑制された.この場合, MMCを封入しなくてもほぼ, 完全な抑制効果を認めた.一方, ハプテン抗原含有の DNP-LP はキャリヤー抗原含有の場合と異なり, 抗DNP IgE 抗体産生のみ軽度に抑制する程度であったが, MMC 封入により一次および二次反応における抑制効果の増強を認めた.しかしすでに IgE 抗体産生をしつつあるマウスの ongoing system において, MMC 封入の OA-LP および DNP-LP はキャリヤーおよびハプテンに対する抗体産生の著明な抑制効果を認めることはできなかった.

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© 1981 日本アレルギー学会
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