蚊刺アレルギー患者について, 東京を中心に240名の医師にアンケート調査を行い, 下記のことが判明した。(1) 報告された症例は87名で, 両性に認められたが, 10才未満が多く, 既往歴や家族歴からアトピー性疾患との関連が示唆された。(2) 症状は皮膚症状のみが多く, 発赤と腫脹, そう痒, 水疱, 疼痛, 潰瘍, 瘢痕, 発熱の順であった。(3) 虫刺は日没後, 家屋内または居住地の近くで四肢に主に受けていた。(4) 検査成績からは, 肝機能検査値の上昇と白血球分画で好中球の減少とリンパ球の増加, および免疫グロブリン, 特にIgEの増加を呈した症例が認められた。アレルゲンテストではイエカまたはダニ抗原と反応した症例が多かった。(5) 虫刺症または蚊刺アレルギーと診断された対症療法を受け, 半数は1週間以内の加療で軽快した。蚊以外の虫刺には, 特記すべき反応は示さなかった。