アレルギー
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気管支喘息患者におけるステロイド薬および合成ACTH薬静注による血中ヒスタミン値の抑制に関する研究
松井 美紀夫
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1982 年 31 巻 3 号 p. 141-150

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抄録

非発作時の気管支喘息患者にデキサメサゾン4mg, ハイドロコーチゾン500mg, 合成ACTH薬0.25mgを静注し, 全血, 血漿ヒスタミン値, 好塩基球数, 好酸球数の変動を観察した.ヒスタミン値は小松によるShoreの改良法, 好塩基球数, 好酸球数は木村の同定算定法を用いて測定した.デキサメサゾン4mg, ハイドロコーチゾン500mg, 静注により全血, 血漿ヒスタミン値, 好塩基球数, 好酸球数は6-12時間で最も減少した.合成ACTH薬0.25mg静注では血漿ヒスタミン値のみ1-6時間で減少した.また, 全血, 血漿ヒスタミン値, 好塩基球数, 好酸球数の抑制の程度は, デキサメサゾン, ハイドロコーチゾン, 合成ACTH薬の順に大であった.以上, ステロイド薬, 合成ACTH薬は, ヒスタミン値, 好塩基球数, 好酸球数を抑制することを証明した.

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© 1982 日本アレルギー学会
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