アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
酸素抗体法による鼻アレルギー患者の特異IgE抗体の測定
伊藤 博隆太田 裕美馬場 駿吉松下 隆鈴木 康夫
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 31 巻 7 号 p. 431-438

詳細
抄録

ハウスダストならびにダニによる鼻アレルギーと診断された44症例の得異IgE抗体を酸素抗体法(ELASA)を用いて測定した.その際に使用したキットはPhadezym RAST (Pharmacia Diagnostic Co.)であり, 特異IgE抗体をスコア標示にし, RAST(Phadebas RAST)のスコアと比較検討した.ELASA, RASTの測定時に使用した抗原ディスクはHD1, HD2, D1, D2(Pharmacia Diagnostic Co.)である.その結果は, ELASAで測定したスコアはRASTで測定したスコアと有意に相関したが, それぞれの抗原においての検討では, まず第1に皮内反応(皮内反応用抗原は鳥居製)との関係では相関が認められなかった.さらにハウスダスト(HD1, HD2)のELASAスコアとダニ(D1, D2)のELASAスコアとの間にはよい相関は認められなかった.しかし, D1とD2では強い相関関係にあった.このような事実から抗原の複雑さを示唆され, 今後研究を進める必要があるが, 特異IgE抗体測定の面からはPhadezym RASTキットは放射線障害もなく, 感度もよいことから有用な方法であると思われた.

著者関連情報
© 1982 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top