アレルギー
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トリプシン処理好中球の貪食能およびライソゾーム酵素放出能について
林 洋紀
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1982 年 31 巻 9 号 p. 964-969

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抄録

好中球をトリプシンにより処理すると, EACロゼット形成率は減少し, EAロゼット形成率はやや増加した.このことから, トリプシンはFcレセプターにあまり影響することなく補体レセプターを減少させることが示唆された.そこで補体レセプターの貧食能およびライソゾーム酸素放出における役割をトリプシン処理好中球を用いて検討し, 以下の結果を得た.1) 各particleにおいて, トリプシン処理好中球の方が貧食能および酸素放出ともに増加していた.2) 貧食能および酸素放出において, トリプシン処理好中球および無処理好中球ともに, EA(IgG)とEA(IgG)Cとで差はみられなかった.3) EA(IgM)Cについては, 貧食および酸素放出はともに認められたがEA(IgG), EA(IgG)Cより低い傾向であった.

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© 1982 日本アレルギー学会
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