アレルギー
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サルにおける実験喘息の研究 : 第3報 サルにおける吸入ヒスタミン, メサコリン誘発気道攣縮に及ぼすH_1, H_2抗ヒスタミン剤の効果
石原 俊晴無江 季次近江 徹広田村 弦関沢 清久冬木 俊春長南 達也星 進悦大津 浩佐々木 孝夫滝島 任
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1982 年 31 巻 9 号 p. 970-976

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抄録

サルの吸入ヒスタミン, メサコリン誘発気道攣縮に及ぼすH_1, H_2抗ヒスタミン剤の効果を検討した.H_1 histamine antagonist(diphenhydramine 4mg)を静注前処理により, ヒスタミン吸入による呼吸抵抗の増加は有意に抑制され, メサコリン吸入による呼吸抵抗の増加も抑制される傾向にあった.H_2 histamine antagonist(metiamide 73mg又はcimetidine 76mg)を静注前処理により, ヒスタミン吸入による呼吸抵抗値及びメサコリン吸入による呼吸抵抗値は有意差がなかった.またヒスタミンによる呼吸抵抗の増加はdiphenhydramine 10mg静注で, 初期値の38.8%に速やかに減少した.メサコリンによる呼吸抵抗の増加はdiphenhydramine 10mg静注で, 初期値の56.5%に減少したが, その反応はヒスタミンの場合に比べて遅延した.さらにヒスタミン及びメサコリンによる呼吸抵抗の増加はH_2 blocker静注後, 一定の変化は示さなかった.

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© 1982 日本アレルギー学会
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