アレルギー
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The Syndrome of Inappropriate Secretion of Antidiuretic Hormoneを合併したと考えられた喘息発作重積状態の1例
武藤 一彦平谷 美智夫
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1984 年 33 巻 7 号 p. 376-380

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抄録

症例は, 1歳8ヵ月の男児で, 喘息発作重積およびけいれん重積を主訴に来院した.患児は, 来院前, 15時間に1500mlの輸液を受けており, 脱水もなく, かつ浮腫も認めなかった.来院時検査では, PaCO_248mmHgと上昇し, 血清Naおよび血清浸透圧は, それぞれ, 122mEg/l, 246mOsm/kgと低下していた.入院後も全身けいれんは続き, hypercapniaも進行したため, respiratorに接続, 輸液量制限とともに, dexamethasone, D-mannitol投与にて, 96時間後には, 完全に回復した.この症例では, 喘息発作重積に合併したSIADHから希釈性低Na血症を招来し, けいれん重積に至ったものと考えられた.

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© 1984 日本アレルギー学会
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