1985 年 34 巻 6 号 p. 394-398
ヒトIgGが結合したSepharose 4Bを用いたaffinity chromatographyによって15gのコクゾウムシ虫体より240mgの免疫グロブリン結合物質(IBS)が精製された.このIBSは6M尿素中でのゲル濾過や高速液体クロマトグラフィーなどによって3個の分画に分離された.分子量はそれぞれ150000, 27000, 10000であった.しかしSDS存在下でのポリアクリラマイドゲル電気泳動(SDS-PAGE)ではすべて単一で分子量が約14000であった.さらに最小分画を^<125>Iでラベルしてゲル濾過を行うと, IBSはPBSに溶解することによって分子量が大きくなることが確認された.以上のことからこれらの分画はpolymerであろうと思われた.